1993 年 22 巻 3 号 p. 413-463
時系列解析,点過程モデル,時空間モデル,大規模なペイズ型モデルなどの統計モデルを使った推論は有力な統計的方法として地球科学の研究に大きく寄与している.他方,これらのデータの解析の試行錯誤を繰り返すことによって統計学的研究が一層豊かなものになりつつある,地震学の分野で使用されている統計的手法やモデルについての現状を紹介する.筆者の研究分野の関係から地震活動に関する記述が多くを占めているが,地震波動に関する現状の一部も紹介する.また,共同研究などを通して統計学の専門家が地球科学の量的な研究に貢献したものをいくつか紹介する.