スポーツ社会学研究
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中高年スポーツ参加者の生活満足度
全国スポ・レク祭参加者について
川西 正志北村 尚浩冨山 浩三
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1996 年 4 巻 p. 93-105

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抄録

本研究の目的は, スポーツ大会における中高年参加者の生活満足度を規定する社会学的要因を解明することである。本研究の調査は, 1994年11月に福岡県北九州市で開催された第7回全国スポーツ・レクリーション祭における4種目の種目別競技会に参加した合計1529名に対して実施された。質問紙は, トレーニングされた調査員により, 11月13日と14日の2日間チームメンバーに配布され, 試合終了後本人から回収された。
有効回収率は, 50.9%で, さらにその779サンプルから林の数量化分析に対して有効な欠損値のないサンプル455名を分析対象とした。Neugarten, Havighurst, Tobin 等 (1961) によって開発された生活満足度指標 (LSI-A) が本研究で用いられた。LSI全体の平均値は9.77で妥当性検定結果のCronbach α 係数は0.82と高い値を示した。
林の数量化理論I類による判別重回帰分析が生活満足度を規定する社会学的要因の分析に用いられた。主な研究結果は次のようである。
1. 生活満足度全体及びLSI5要因ごとの平均得点は, 男性よりも女性の方が高い値であった。
2. 生活満足度全体の得点は, スポーツの実施要因よりも人口統計・社会経済学的要因, 健康体力評価に関する身体地位要因によって強く規定された。
3. 生活満足の規定要因は, 運動・スポーツに関した量的変数よりも, 質的変数に多くみられた。
4. 規定要因の多くは, 男女間で差異がみられ, 特に, 健康体力評価や運動・スポーツへの目的志向による差異がみられた。

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