スポーツ社会学研究
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スポーツ産業と韓国の経済
その推移と展望
朴 鎮敬金 恵子
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キーワード: スポーツ産業, 韓国経済, IMF
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1999 年 7 巻 p. 7-12,76

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抄録

韓国スポーツの発展は, 過去30年間にわたる努力によってもたらされてきたが, 昨年 (1997年) 末, 韓国経済に大きな影響を及ぼした, いわゆる「IMF経済危機」によって重大な危機に直面させられている。
IMF危機以降, スポーツに現れた最も顕著な構造的変化は, スポーツ施策や政府組織の機能の減少, 企業所有のスポーツチームの解散, スポーツ消費構造の質的変化などに要約される。
スポーツ産業は, スポーツ活動に関連する製品やサービスを産出する製造部門や第3セクター部門に及んでいる。現在利用できる公式統計によれば, スポーツ用品とサービスだけに関連する市場規模は, 1996年で2兆7千億ウォンに達し, その内訳はスポーツ用品が1兆2千億ウォン (44.5%), スポーツサービスが1兆5千億ウォン (55.5%) となっている。
現在のIMF経済危機を乗り越え, 世界経済における以前の地位を取り戻すためには, スポーツ産業の生き残りと発展を通して国家経済に貢献する試みがなされるべきであろう。そして, それは, 社会全体に生起する経済的, 構造的改革にしたがって進められ, 合理的, 組織的な計画によって支援されるべきである。また, 韓国が再度安定した経済成長を取り戻すならば, スポーツ・レジャーブームは, すぐにやって来るであろう。このような社会経済的環境の予測される変化に効果的かつ積極的に対応するためには, スポーツが国家産業の一領域として認識されなければならない。
スポーツ産業が, 高い付加価値をもった生産分野の1つとなり, 国内外の巨大な需要を基礎として国家経済に貢献する主要な分野となるよう最大限の努力が必要である。

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