ソーシャルワークを担う専門職として社会福祉士の役割が重視され,養成カリキュラムの見直しもされている.本研究は社会福祉士の相談援助実習に着目し,実習における学生の学習達成状況の自己評価の点数と実習内容に関する5つの要因の関連を明らかにする.対象はA大学B学部の相談援助実習を行った学生329人である.調査は集合調査法による自記式質問紙調査を行い321人から回答を得た.分析は学生の「自己評価の点数」を目的変数,「ケアワークの分量」など実習内容に関する要因5つを説明変数,学生や実習施設に関する要因6つを制御変数に用いて重回帰分析を行った.結果,学生が実習で①ケアワークを「少し」行う(B=6.16, ref.=無し),②実習施設内の多職種連携を学べたと感じている(B=4.98, ref.=学べなかった),③実習施設外の関係機関や社会資源との連携を学べたと感じている(B=8.04, ref.=学べなかった)と自己評価の点数は高いという関連が示された.