日本血栓止血学会誌
Online ISSN : 1880-8808
Print ISSN : 0915-7441
原 著
ラットDICモデルにおける血管作動性物質の変動
—抗凝血薬投与に伴う影響—
佐野 陽子朝倉 英策吉田 知孝浅村 梨沙山崎 雅英森下 英理子御舘 靖雄水谷 朋恵金田 みのり伊藤 貴子宮本 謙一中尾 眞二
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13 巻 (2002) 6 号 p. 485-492

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抄録

組織因子 (TF) 誘発DICモデルとLPS誘発DICモデルを比較した場合, 前者では, 一酸化窒素 (NO) の代謝産物である血中NOXが著増するが血中エンドセリン (ET) は微増にとどまること, 後者では, 両マーカーが著増することを, 我々はこれまでの検討で明らかにしてきた. 本研究では, 抗凝血薬投与による血管作動性物質の動態への影響を検討した. Wistar系雄性ラットを用いて, TF誘発DICモデルはTF3. 75単位/kg, LPS誘発DICモデルはLPS30mg/kgを尾静脈より4時間かけ点滴静注し作成した. 薬物投与群については, 低分子ヘパリン200U/kgをDIC誘発物質投与開始30分前から投与し, DIC誘発物質投与終了まで4. 5時間持続点滴をした. TF誘発DICモデルにおける著しい血中NOXの上昇は, LMWH投与により完全に抑制されたが, LPS誘発DICモデルにおける同効果は軽微であった. 一方, 血中エンドセリンは, いずれのモデルにおいてもLMWHによる影響はみられなかった. 以上より, TF誘発DICモデルにおけるNO産生は, TFの直接作用ではなく, TF投与に伴う結果としての生体内における凝固活性化が主因であると思われた. また, LPS誘発DICモデルにおける血中エンドセリンの持続的な上昇は, 臓器障害の進展と関連しているものと考えられた.

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© 2002 日本血栓止血学会
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