日本血栓止血学会誌
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原著
非手術入院患者(慢性閉塞性肺疾患,感染症,炎症性疾患)における深部静脈血栓症の発現頻度
松尾 汎孟 真小川 智弘山田 典一古出 隆士鈴木 健夫皿井 伸明
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2016 年 27 巻 1 号 p. 54-63

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抄録

要約:安静期間4 日以上,年齢60 歳以上で,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪,感染症または炎症性疾患で入院し,静脈血栓塞栓症(VTE)予防ガイドラインで示されたリスクの組み合わせより高リスクと判断された入院患者の深部静脈血栓症(DVT)発現頻度を前向きに超音波検査で調査した.安静の3 カ月前以降に手術または外傷があった患者,入院時にVTE と診断されていた患者,抗凝固薬を使用していた患者は除外した.4 施設より25 名の患者が登録され,平均年齢は83.1(標準偏差6.8)歳であった.理学的予防法が行われていた患者はなく,抗血小板薬を使用していた患者は5 名であった.25 名中8 名(32.0%)にDVT(全て無症候性,新しい血栓は6 例,中枢型は3 例)が認められた.急性内科疾患入院患者には無症候性DVT が潜んでいることが示唆された.今後,より多くの患者を対象とした前向き研究でさらに検討すべきと考えた.

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© 2016 日本血栓止血学会
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