日本血栓止血学会誌
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特集 外傷性凝固障害
外傷性凝固障害におけるフィブリノゲン
早川 峰司
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2016 年 27 巻 4 号 p. 431-435

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抄録

要約:フィブリノゲンはフィブリンの唯一の基質であるため,他に代償する凝固因子がなく,止血のために不可欠な蛋白質である.このため,フィブリノゲン以外の凝固因子が潤沢に存在していてもフィブリノゲン自体が不足していれば適切な止血を得ることができない.重症外傷では,フィブリノゲンの低下が早期から生じており,フィブリノゲンの低下は,その後の大量出血や生命予後の悪化と強く関係している.この重症外傷におけるフィブリノゲン低下の機序として,①凝固活性化に伴う消費,②線溶亢進に伴う分解,③輸液/輸血療法による希釈,が考えられている.重症外傷における抗線溶薬の投与の有益性が報告されている.フィブリノゲンの補充療法としては,新鮮凍結血漿が中心となるが,フィブリノゲン濃縮製剤の有益性も検討されている.

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© 2016 日本血栓止血学会
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