日本血栓止血学会誌
Online ISSN : 1880-8808
Print ISSN : 0915-7441
ISSN-L : 0915-7441
総説
ビタミンK 作用の新たなパラダイム
岡野 登志夫
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 28 巻 3 号 p. 353-368

詳細
抄録

要約:ビタミンK は,血液凝固,血管石灰化,骨・軟骨形成,細胞内シグナル伝達,細胞増殖・分化など生体内の様々な反応に関与するビタミンK依存性蛋白質の特定のアミノ酸配列(グラドメイン)中のグルタミン酸残基をγ-カルボキシグルタミン酸へ変換する酵素(γ-グルタミルカルボキシラーゼ)の補因子として働く.ビタミンK 依存性蛋白質の精密構造と高次機能,さらに細胞内に極微量で存在するビタミンK の再利用を可能にするビタミンK サイクルの調節機構の解明が進む一方で,ビタミンK 代謝の全容とビタミンK 活性代謝物の同定については未解明なままに残されている.本稿では,小腸におけるビタミンK の吸収機構,体内分布と組織内での活性代謝物への構造変換およびこの反応に関与する新規代謝酵素(UBIAD1)の諸性質と新規機能について最近の研究成果を紹介する.

著者関連情報
© 2017 日本血栓止血学会
前の記事 次の記事
feedback
Top