11 巻 (2000) 6 号 p. 531-541
血管内皮細胞の凝固・線溶因子発現に対するCD40-CD40 Ligand (CD40L) 相互作用の影響を検討する目的で, 培養血管内皮細胞とCD40L発現リンパ球の接着実験を行った. IFN-γで活性化し, CD40発現を増加させた血管内皮細胞と, CD40Lを発現させた後固定したTリンパ球を共培養すると, 血管内皮細胞表面に tissue factor (TF) の強い発現が認められた. このTF発現は抗CD40L抗体で, 部分的ではあるが特異的に阻害された. また, CD40L発現Tリンパ球の接着により, 血管内皮細胞中の thrombomodulin 抗原量および培養上清中の tissue factor pathway inhibitor 抗原量は低下した. 一方, 血管内皮細胞による tissue-type plasminogen activator の産生・放出は著しく増加したが, 培養上清中には plasminogen activator inhihibitor-1が常に過剰量存在していた. 以上のことから, 炎症性免疫反応部位において血管内皮細胞に活性化Tリンパ球が接着すると, 血管内皮細胞表面は凝固亢進状態へ著しく modulate されるという結論が得られた. なお, この反応にはCD40-CD40L相互作用の関与が示唆された.