日本血栓止血学会誌
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ビオチン化フィブリノーゲンを用いたGP IIb/IIIa固相レセプター結合反応系の確立
森 光子佐藤 知子有沢 幹雄Beat SteinerPaul Hadvary
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1991 年 2 巻 4 号 p. 323-329

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抄録

ビオチン化したフィブリノーゲンをリガンドとした簡便かつ高感度な固相レセプター結合実験系を確立したので報告する. フィブリノーゲンの固相レセプターに対するアフィニティはビオチン化により変化せず, ビオチン化フィブリノーゲンの結合は特異的かつ可逆的で, 時間に依存した飽和曲線を示した. また, この結合は2価陽イオンに依存的であり, intact フィブリノーゲン, RGD構造を含む tetrapeptide (RGDV, RGDS), フィブリノーゲンγ鎖C末の dodecapeptide により阻害され, 各々のIC50値は3.7, 49, 155, 715nMであった. ビオチン化フィブリノーゲンの固相GP IIb/IIIaに対する見かけの解離定数は0.33nMであった.

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