日本輸血細胞治療学会誌
Online ISSN : 1883-0625
Print ISSN : 1881-3011
原著
急性白血病の寛解導入における血小板輸血トリガー値の検討
岡 智子松山 智洋森 政樹藤原 慎一郎翁 家国菊池 悟佐藤 一也上田 真寿外島 正樹鈴木 隆浩尾崎 勝俊永井 正小澤 敬也室井 一男
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55 巻 (2009) 5 号 p. 589-595

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抄録

急性白血病では予防的血小板輸血が行われる.当院に入院した急性骨髄性白血病(AML)と急性リンパ性白血病(ALL)の血小板輸血トリガー(PT)値を検討した.
1994年から1999年のAMLとALLの患者は各々A1群とB1群に,2004年から2006年の患者は各々A2群とB2群にまとめた.入院時から寛解導入療法後好中球が1,000/μlを超えるまで観察した.同一疾患群間に入院時の血算,レジメン,G-CSF,DICスコア,感染症,発熱,寛解率,WHO分類の出血者数に差はなかった.AMLでのPT値は,A1群で2.7万/μl,A2群で1.7万/μlとA2群で有意に低かった.血小板輸血の平均輸血単位数は,A1群で100単位,A2群で56単位とA2群で有意に低かった.ALLでのPT値は,B1群で2.1万/μl,B2群で1.1万/μlとB2群で有意に低かった.血小板輸血の平均輸血単位数は,B1群で49.5単位,B2群で35.5単位と差を認めなかった.
急性白血病の寛解導入療法では,PT値1∼2万/μlでの予防的血小板輸血によって,出血の頻度を増加させることなく血小板輸血を減らすことが可能と思われる.

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© 2009 日本輸血・細胞治療学会
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