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日本輸血細胞治療学会誌
Vol. 55 (2009) No. 5 P 596-603

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http://doi.org/10.3925/jjtc.55.596

原著

背景·目的: わが国ではアルブミン製剤の使用量が多く,輸入に依存しているが,その使用実態に関しては必ずしも明らかではない.当院はアルブミン製剤を輸血部門で管理し,使用前に厚生労働省の適応基準に準拠することを確認しながら使用してきており,使用量が少ない.当院におけるアルブミン製剤の使用状況の特徴を明らかにするため,全国の総合病院7施設と比較した.
対象·方法: 当院および協力の得られた全国の7総合病院における入院患者で,平成17年4月の1カ月間にアルブミン製剤が使用された全症例を対象とし,患者背景およびアルブミン製剤の使用状況を調査した.
結果: 症例数およびアルブミン製剤使用本数は,当院およびその他7病院で,それぞれ,56例,180本,および444例,2,512本であった.アルブミン製剤の使用理由は,当院で循環動態の維持,7病院では低アルブミン血症が最も多かった.投与前の患者血清アルブミン値は,当院2.3±0.5g/dl,7病院2.8±0.7g/dl(p<0.000001),1回のアルブミン使用量は当院23.5±15.3g,7病院44.7±59.3g(p<0.000001),アルブミン投与1カ月後の死亡率は,当院16.1%,7病院14.6%(P=0.77)であった.全体的に見て投与前のアルブミン値が低いほど予後が悪い傾向を認めた.
考察: 当院のアルブミン製剤の使用量は7病院に比較して大幅に少なかった.これは使用前に輸血部門で適応を評価することによると思われた.また,低アルブミン血症は予後不良の指標になるが,アルブミン製剤の投与によっても予後は改善できない可能性が考えられた.

Copyright © 2009 日本輸血・細胞治療学会

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