62 巻 (2016) 4 号 p. 566-571
抗セルロプラスミン抗体は,非溶血性副作用発生との関連性が示唆されている.今回,同種赤血球液輸血歴を有する骨髄異形成症候群の65歳男性に初めて同種濃厚血小板を輸血したところ,二度連続でアナフィラキシーショックを生じた.重篤な非溶血性副作用として赤十字血液センターに精査依頼した結果,患者検体からELISA法およびウエスタンブロット法にて抗セルロプラスミン抗体が検出されたが,患者血漿中セルロプラスミン値は正常値であった.抗セルロプラスミン抗体が非溶血性副作用に関与している可能性を第一に考えたが,その後の同種赤血球液輸血では副作用の出現は認めなかった.本症例ではセルロプラスミンの多型分析や抗体のサブクラス検索は施行していないが,セルロプラスミンを微量含有する赤血球輸血で有害副作用が全く生じていない点からは,抗セルロプラスミン抗体自体の非溶血性副作用発生との関連性は少ないと考えられる.輸血によるアナフィラキシーショックは比較的頻度が高いものであるため,本症例をはじめとする特定できない原因の究明が望まれる.本症例に対しては,必要時には洗浄血小板を使用予定である.