日本輸血細胞治療学会誌
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症例報告
血小板輸血により抗Eを産生した1症例
金 錦麗岡部 雅一大宮 章子柳川 喜代子古田 耕松原 賢弘青木 淳金森 平和
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2016 年 62 巻 6 号 p. 740-744

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抄録

我々は,抗fと抗c保有患者に対しR1R1(CCDee)赤血球輸血を行っていたにもかかわらず,抗Eを産生した症例を経験した.

血小板輸血による同種抗原感作を疑い,輸血した10バッグの血小板製剤のRh-Hr血液型を調べた.その結果,4バッグがR1R2(CcDEe)であり,この内2バッグは抗E産生前に投与されていた.我々はこの製剤中のE抗原の感作により,抗体を産生したと考えた.

血小板製剤中にはわずかながら赤血球が混入しており,血小板輸血により抗体を産生させる可能性があることを再認識した.

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© 2016 日本輸血・細胞治療学会
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