日本輸血細胞治療学会誌
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原著
全自動輸血検査システムORTHO VISION™を使用した抗体価測定
加藤 千秋渡邊 友美遠藤 比呂子松下 正
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2017 年 63 巻 4 号 p. 585-591

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抄録

抗A,抗B抗体価は,メジャーミスマッチ移植における生着において,不規則抗体価は,胎児新生児溶血性疾患の重症度予測において重要とされてきた.従来,抗体価測定は試験管法が用いられてきたが,希釈系列作成時の誤差や,凝集判定の個人差など,標準化における問題点も存在した.今回,カラム凝集法を用いた全自動輸血検査システムによる抗体価測定の自動化の有効性について検討した.

抗A,抗B抗体価測定の生理食塩液法は,試験管法と比較しIgG型優位のケースで高値に,IgM型優位のケースで低値を示した.一方,間接抗グロブリン法は,検体の還元処理・未処理(DTT LISS-IAT・LISS-IAT)で非常に強い相関がみられた.不規則抗体価では,LISS-IATにおいてIgM型抗体を含むケースで高値を示し,IgM型抗体による直接架橋が考えられた.DTT LISS-IATでは血液型システムの違いにより異なる傾向を示した.

以上より,抗A,抗B抗体価における間接抗グロブリン法の自動化は可能と考えた.また,不規則抗体価では血液型システムや,免疫グロブリンクラスによる差異が生じる等,引き続き検討が必要と考えた.

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© 2017 日本輸血・細胞治療学会
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