日本輸血細胞治療学会誌
Online ISSN : 1883-0625
Print ISSN : 1881-3011
ISSN-L : 1881-3011
原著
輸血・細胞療法部における血縁者間同種造血幹細胞移植ドナー外来の有用性と意義
三川 紫緒三村 尚也立花 美智子日野 もえ子竹田 勇輔武内 正博大和田 千桂子堺田 惠美子中世古 知昭井関 徹
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 63 巻 4 号 p. 592-598

詳細
抄録

同種造血幹細胞移植は,高度な倫理性と専門性を有した多職種が関与する集学的チ―ム医療であり,造血細胞移植コーディネーター(HCTC)は,ドナーと移植患者双方の安全と支援に寄与する役割を担う.当院では,2014年に輸血・細胞療法部医師とHCTCにより,患者と独立した立場でドナーの安全性確保を目的としたドナー外来を開設した.今回,開設後1年間に当外来を受診した血縁ドナー候補者30例を対象にドナー外来の有用性と意義について解析した.30例のうち14例が他院で既にHLA検査を施行されていた.医師による造血幹細胞提供に関する包括的な説明の後,HCTCは,チェックシートに従い健康状態と提供意思を確認し,担当医と第3者の医師を含めた3者の協議によりドナー適格性を判定した.30例中5例(うち3例は受診前HLA検査施行例)が不適格と判定された.他院でHLA検査を施行した14例中2例は,幹細胞提供に関する十分な理解が得られていなかった.また3例は問診にて不適格と判定された.ドナー候補者には,患者とは独立した立場の医師及びHCTCによりHLA検査施行前に十分なインフォームドコンセントを得ることと問診による適格性判定が必要であり,HCTCと輸血・細胞療法部医師によるドナー外来はドナーの安全性と倫理性の高いコーディネート体制を確立する上で有用であると考えられる.

著者関連情報
© 2017 日本輸血・細胞治療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top