日本輸血細胞治療学会誌
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原著
東京女子医科大学病院における静注用免疫グロブリン(IVIG)製剤の使用状況について
中林 恭子松田 和樹小林 博人小野 慎吾岩﨑 拓也久保田 友晶守屋 友美緒方 康貴及川 美幸木下 明美青木 貴子千野 峰子岡田 真一高源 ゆみ青木 正弘岡本 好雄今野 マユミ槍澤 大樹小倉 浩美菅野 仁
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2018 年 64 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

血液製剤やアルブミン製剤はガイドラインで適正使用基準が明確に示されているが静注用免疫グロブリン(IVIG)に関しては,未だ明確な使用基準が設定されていない.国内血漿由来のIVIGの総供給量は2010年度から2015年度の6年間で3,800kgから4,600kgと著明な増加が認められた.一方当院におけるIVIG総使用量は2010年から2015年の6年間の平均で24.1kgであった.IVIG使用量の多い上位4診療科は神経内科,泌尿器科,消化器科,血液内科でそれぞれ全使用量の約38%,約12%,約8%,約7%,4診療科で全体の約65%であった.使用目的疾患別では重症感染症,低・無ガンマグロブリン血症より,慢性炎症性脱髄性多発根神経炎,重症筋無力症,ギラン・バレー症候群等の自己免疫疾患に対する使用が多かった.また2番目に使用量の多い泌尿器科では,約22%が腎移植における脱感作療法目的であることが分かった.今後も適応疾患患者数の増加やIVIGの簡便性等から益々需要が高くなると予想され,移植医療でのIVIGの有用性が示されれば,更に使用量の増加が見込まれる.将来需給バランスを適正に保つ為にも,関連学会と協調して適正使用基準を検討することが,貴重な献血由来原料血漿の有効利用に重要な課題と考えられた

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© 2018 日本輸血・細胞治療学会
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