日本輸血細胞治療学会誌
Online ISSN : 1883-0625
Print ISSN : 1881-3011
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原著
末梢血幹細胞採取におけるSpectra Optia MNCモードとCMNCモードの後方視的検討
伊藤 誠早瀬 英子渡邊 千秋上床 貴代魚住 諒林 泰弘早坂 光司茂木 祐子加畑 馨高橋 秀一郎宮下 直洋後藤 秀樹小野澤 真弘白鳥 聡一杉田 純一橋本 大吾秋沢 宏次佐藤 典宏豊嶋 崇徳
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2018 年 64 巻 6 号 p. 742-751

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抄録

背景:Spectra Optiaは,自動インターフェイス管理システムにより,簡便な操作での末梢血幹細胞採取を可能にした.今回我々は末梢血幹細胞採取において,Spectra OptiaのMNCモード(MNC群)とCMNCモード(CMNC群)の採取産物のCD34陽性細胞数およびCD34陽性細胞採取効率(採取効率)を後方視的に比較検討した.

対象:2013年8月から2018年2月までに当院で末梢血幹細胞採取を行った233例(自家103例,同種130例)を対象とした.

結果:自家末梢血幹細胞採取における採取産物のCD34陽性細胞数および採取効率は,両群において有意差を認めなかった.同種末梢血幹細胞採取においてMNC群と比較してCMNC群の採取産物のCD34陽性細胞数は有意に高値であり,採取効率も有意に良好であった.同種末梢血幹細胞採取の採取効率に影響する因子として,末梢血血小板数と末梢血ヘモグロビン値が挙げられた.

結語:自家末梢血幹細胞採取においては両群ともに良好な成績であったが,同種末梢血幹細胞採取においては,CMNCモードを用いることでより効率的な採取を行える可能性が示唆された.

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© 2018 日本輸血・細胞治療学会
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