エネルギーの無駄なく人間にとって好ましい空調を行うためには、時間的に変化する人体の温熱生理反応を適切に評価する必要がある。発汗を伴う場合は特に、水分の蒸発が温熱反応の非定常特性に大きく影響するため、着衣における汗の移動性状を十分正確に予測することが不可欠となる。本論文では、基礎的検討として、布における水分移動のモデルを検討した。布の一端を水に浸した場合について、布面に沿った方向の水分移動を測定し、実験結果を再現する拡散係数を決定した。これは、布面に沿った方向の水分移動は拡散現象として扱えることを示すものである。さらに、このモデルを用いて液滴を布面に垂らした場合の水分移動について検討した。