皮膚のふく射伝播は,皮膚を散乱・吸収性をもつ連続媒体と考え,ふく射輸送方程式により取り扱われることが多い.この式を用いる場合,式中の減衰係数,アルベド,散乱位相関数の三つのふく射物性値により,そのふく射伝播が特徴付けられる.ここでは,これまでほとんど計測されていない人の皮膚の散乱位相関数を計測できる手法を提案している.この手法では,放物面鏡とCCDカメラを用いることで,極短時間で皮膚による散乱光の強度分布を計測し,それを基に散乱位相関数を求める.実際に,人工培養した皮膚を対象に,散乱位相関数を推定した.