2014 年 26 巻 3 号 p. 128-135
高温溶融状態の光ディスク材料の複素屈折率を測定するため、装置構築や試料準備法開発を行った。装置は、赤外線加熱装置、分光エリプソメータ、プリズム光学系から構成されている。試料は、酸化や蒸散といった変質を避けるため、石英セル中に真空封入とした。光ディスク材料の代表であるSb2Te3 について、測定を行い、波長300-1000nmに渡り、複素屈折率を求めた。その結果、高温溶融状態での複素屈折率は、虚部が固体時に比べて低下しており、透明化していることがわかった。光ディスクにおける超解像再生現象で、溶融部が開口として作用することが実験的に明らかとなった。