2015 年 28 巻 3 号 p. 121-126
燃料電池車用の水素ステーションにおいて,車載タンクへの高圧水素の急速充填時に水素中の微量水分が系内の低温部で凝縮・凝固し,配管の閉塞や流動系の不安定の原因となる懸念がある.ステーションの最適な設計および運用条件の把握のために,高圧水素中の微量水分の露点および霜点実測値の蓄積とその推算法の確立が必要とされている.本研究では,新たに開発した水素中の微量水分に対応した露点測定システムにより,水素標準ガスを用いて全圧5~10 MPa,水分濃度1.5~55 ppmの範囲で系統的な霜点測定を実施し,開発した推算法による推算値との照合により状態方程式中の未定パラメータを決定し,高圧域に拡張した霜点推算を実施した.