2015 年 29 巻 1 号 p. 19-26
高感度な熱型光検出器としてのバイメタルMEMSカロリメータの実現可能性について検討した.標準的なMEMS製造プロセスで作製できる構造のうち,5mm×5mmに及ぶ大面積のバイメタルセンサについて熱-機械的特性を有限要素法数値計算で評価した.その結果いくつかの設計において,同サイズの従来型熱電モジュール方式熱型光センサと比べて,等価ノイズパワーを一桁以上小さくできることを見出した.試作したセンサを評価した結果もそれを支持するものであった.これにより,高スループットな絶対分光パワー測定につながるものと期待できる.