熱物性
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窓の赤外放射が室内の温熱環境に与える影響―暖房期の結露による放射率変化―
渡部 剣太垣内田 洋
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2020 年 34 巻 4 号 p. 129-136

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抄録

低放射フィルムの放射率(カタログ値0.13)を,結露時を含め測定し,小規模部屋の窓ガラス(放射率≈0.9)に後貼りして,冬の窓の結露が室内の温熱環境と快適性に与える影響を調べた.放射率測定では,乾燥・結露時の表面で値を得た.小規模部屋の温熱環境実験では,窓表面,室内外空気,窓際の黒球温度を測定し,夜間データを解析した.乾燥時,単板ガラス窓の部屋に比べて低放射フィルム窓の部屋は,表面温度が低く黒球温度が高かったが,結露時は,表面と黒球の温度はともに,これら二部屋間で差が縮まった.以上の結果を放射・対流熱伝達の観点で説明した.さらに標準有効温度(SET*)を用い,低放射フィルム導入および結露発生と快適性との関係を考察した.

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© 2020 日本熱物性学会
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