私共の周囲には, 固体・液体・気体の三相から構成されている物体が極めて多い. 著者らは, 最近, 種々の湿った多孔質岩石の有効熱伝導率を測定し, その結果を固相, 液相及び気相の体積割合で整理する式を提案した. その折に, 他の分野での三相系物体に対しては, 既にどのような整理式あるいは理論模型が提案されているのかを知りたいため, 各分野の三相系物体の熱物性に関する研究例を調べた. 本稿では, 三相系物体の有効熱伝導率の基礎的模型, 各分野における三相系物体の有効熱伝導率研究の現状及び著者らの研究の概要について述べる.