2021 年 52 巻 3+4 号 p. 47-52
7歳8ヶ月齢のウサギが外陰部からの出血を主訴に受診した。卵巣子宮摘出術を実施したところ、子宮に7個の腫瘤が形成され、子宮広間膜にも小結節が観察された。子宮の腫瘤は腺癌と診断され、3個は乳頭状腺癌、4個は管状/充実性腺癌と型別された。子宮広間膜に見られた結節は管状/充実性腺癌と型別され、子宮筋層からの播種性転移巣と考えられた。管状/充実性腺癌は子宮筋層内に浸潤性増殖し、子宮広間膜に侵襲したものと考えられた。ウサギは5ヶ月後に状態が悪化し死亡した。剖検で大網が肥厚し腸間膜に小結節が形成され、管状/充実性腺癌が認められた。