獣医臨床皮膚科
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症例報告
皮下脂肪織炎および骨膜炎を伴った膵臓外分泌腺癌のビーグル犬の1症例
北森 隆士北森 史代
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2007 年 13 巻 1 号 p. 21-25

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抄録

10歳齢,去勢雄のビーグル犬が,1年前からの間欠的な四肢の腫脹を主訴に当院を受診。治療中,腫脹部位の自壊と排液を認めた。細胞診で排液中には壊死脂肪組織が観察され,脂肪滴を貪食したマクロファージを認めたことから,皮下脂肪織炎と考えた。レントゲン検査で左大腿骨に骨膜増生を認め,骨膜炎と診断した。血中リパーゼ値の顕著な上昇と,超音波検査で膵臓領域の腫瘤が確認されたため,腫瘤を摘出したところ病理検査で膵臓外分泌腺癌と診断された。皮下脂肪織炎と骨膜炎は膵臓外分泌腺癌に続発したと考えられた。

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© 2007 日本獣医皮膚科学会
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