獣医臨床皮膚科
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原著
健康なアルパカ(Vicugna pacos)の趾間における常在細菌叢
Mitzi D. ClarkWilliam H. Miller, Jr.Danny W. Scott
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2013 年 19 巻 4 号 p. 211-215

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抄録

アルパカの趾間皮膚には様々な疾患(細菌や真菌による感染症を含む)が発症しうる。培養検査や感受性試験は本症を適切に診断・治療する上で必要となりうる。これまでのところ,健康なアルパカの肢端から分離された細菌および真菌に関する研究成果は報告されていない。そこで2群のアルパカを対象とした前向き研究が行われた。各群には同じ農場の異なる畜舎で飼育されているアルパカ15頭ずつが含まれた。それぞれの動物の1前肢および1後肢からサンプリングが行われた。サンプリングは滅菌スワブを用いて行われ,培地の中に静置された。培養用のサンプルは検査ラボに送付され,好気性および嫌気性細菌培養ならびに真菌培養に供された。60サンプル中21サンプルから好気性菌が,5サンプルから嫌気性菌が,ならびに12サンプルから真菌が分離された。このことから,細胞診や組織診断の結果が得られない症例においては,細菌培養の結果をより慎重に解釈する必要があると考えられた。

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© 2013 日本獣医皮膚科学会
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