獣医臨床皮膚科
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症例報告
多汗に対してポリ硫酸ペントサンナトリウムが奏功した犬の1例
内田 雅之川上 正川上 志保永田 雅彦
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2017 年 23 巻 4 号 p. 185-188

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抄録

9歳齢,避妊雌のミニチュア・シュナウザーが,幼少より夏を中心に悪化する躯幹の痒みで当院紹介受診となった。ほぼ全身に鱗屑,丘疹,紅斑,脱毛とともに汗と思われる湿潤が認められた。皮膚伸展指数は16.6%であった。毛検査,皮膚掻爬検査で特記すべき異常はなく,皮膚生検で著しく拡張したアポクリン汗腺,毛包の萎縮,淡染色性の真皮結合織に不規則な配列が認められた。支持組織の脆弱性による汗腺の拡張と多汗を疑い,犬の骨関節疾患治療薬であるポリ硫酸ペントサンナトリウムで治療したところ,湿潤と痒みが略治した。

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© 2017 日本獣医皮膚科学会
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