1996 年 1 巻 1 号 p. 38-41
ニホンジカ(2〜4歳)に対し, 市販されている牛用のウイルスワクチン(牛伝染性鼻気管炎生ウイルスワクチン, アカバネ病生ウイルスワクチンおよび牛伝染性鼻気管炎・牛ウイルス性下痢-粘膜病・牛パラインフルエンザ混合生ワクチン)をそれぞれ1用量接種し, 臨床症状を観察しながら, 経時的に採血して, 抗体価の測定を行った。その結果, いずれのワクチン接種においても, 臨床的な異常は認められなかった。また, 牛伝染性鼻気管炎ウイルス以外の抗体は1回の接種で有意に上昇し, 12週間以上持続することが確認されたが, 牛伝染性鼻気管炎ウイルスに対しては, 2回接種によって抗体の上昇と持続を認めた。