2020 年 25 巻 1 号 p. 35-40
動物展示施設で飼育されていたボールニシキヘビPython regiusが流涎および上顎の腫脹を呈し,その後死亡した。肉眼所見では,下顎,上顎,頸部の皮下,および肝臓の漿膜面に腫瘤が認められた。病理組織学的には全身性の肉芽腫性炎と診断され,細菌学的には腎臓組織,上顎および下顎の腫瘤からそれぞれMycobacterium gordonae,Mycobacteroides chelonae,Mycobacterium genavenseが分離・同定され,複数の非結核性抗酸菌による播種性感染症と診断された。