抄録
インドネシア・スマトラ島ウェイカンバス国立公園内の野生ゾウ訓練センターで死亡した3頭のゾウから4種の消化管寄生虫, 小円虫亜科のMurshidia falcifera, 双口吸虫科のHawkesius hawkesi, Pfenderius papillatusおよびウマバエ科のCobboldia elephantisの幼虫が得られた。このことから, このセンターのゾウはこれらの寄生虫の侵襲を受けていることが示唆された。また外部寄生虫であるゾウジラミ(Haematomyzus elephantis)が検出され, センターで報告されている様々な皮膚疾患を惹起する要因になっていると考えられた。