九州歯科学会総会抄録プログラム
第66回九州歯科学会総会
セッションID: O-17
会議情報

破骨細胞分化と歯の発生におけるNF-κBシグナルの役割
*自見 英治郎増田 渉林 寿恵子
著者情報
キーワード: NF-κB, 破骨細胞, 歯の発生
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

転写因子NF-κBのp50、p52サブユニットの二重欠損マウスは破骨細胞の存在しない大理石骨病を呈するが、NF-κBがどのような機序で破骨細胞形成を調節しているか不明な点が多い。本研究では破骨細胞分化における、NF-κBの役割をジェネティックアプローチから検討した。p52の前駆体p100のプロセシングの起きないalyマウスとp50欠損マウスを交配し、野生型、aly、p50-/-、およびaly/p50-/-マウスを作出した。各々のマウスの・軟X線撮影、骨密度測定および組織学的検討を行なった。・胸腺および脾細胞のT,B細胞の分化をFACSで解析した。・脾細胞をRANKLで刺激し、破骨細胞を誘導した。aly/p50-/-マウスは、他のマウスと比較して、・著しい成長障害と骨硬化症を呈したが、骨組織に破骨細胞は存在した。・歯は萌出したが、エナメル質形成不全が認められた。・B細胞の分化が抑制された。・RANKL刺激による破骨細胞形成は完全に抑制された。破骨細胞分化にはp52の前駆体p100のプロセシングではなく、p100が存在することが重要である可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2006 九州歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top