当科で診断し、血液内科と協力して治療を行った悪性リンパ腫(ML)の3症例について報告した。症例はそれぞれ顎下部の無痛性腫瘤、下顎歯肉の腫脹として発症し、当科にて腫瘤摘出術および生検を施行した。全症例がDiffuse large B-cell lymphomaと病理診断された。確定診断後、血液内科にて化学療法(1例は放射線療法併用)が施行され、症状は緩解した。今回の経験をふまえて血液内科医とMLのプロトコールを作成した。通常の病理診断に予後判定に必要な検査(FCM、染色体診断)を加えて、治療方法の選択の判断材料とした。顎口腔領域に発症したMLでは診断から治療が円滑に行える病院歯科・口腔外科の役割は重要である。