九州歯科学会総会抄録プログラム
第66回九州歯科学会総会
セッションID: P-12
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モロヘイヤ粉末を用いた歯磨材の有効性
*荒井 安彦陳 克恭高濱 有明夫永松 有紀田島 清司柿川 宏小園 凱夫
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抄録

モロヘイヤはビタミンやカロテン、カルシウムを多く含む食材として注目され、サプリメントとして粉末状でも市販されている。本研究ではモロヘイヤの歯垢・歯石除去効果の特許に基づき、室温で超乾燥後粉砕したモロヘイヤ粉末を用い、研磨材、発泡剤、フッ素を含まない歯磨材の実用化に向けてその有効性を調べた。10wt%のモロヘイヤ粉末と水道水との混合液中に歯垢・歯石の付着が認められる抜去歯を浸漬し、色差計を用いてエナメル質表面の変化を観察した。その結果、浸漬だけで経時的に色差が増大し、5週目で歯垢・歯石の一部が除去されるとともに、浸漬前と比較して顕著な色調の変化が認められた。これは、主としてエナメル質表面の歯垢の除去に伴って明度および光沢が増したことによるものであった。また、使用したモロヘイヤは蛍光分析により活性窒素の生成抑制作用を示すことがわかった。以上の結果から、モロヘイヤを主要成分とする歯磨材は、研磨材を含まなくても高い歯磨効果を示すだけではなく、モロヘイヤの強い抗酸化作用によって口腔内での活性酸素、活性窒素の生成を抑制しあるいは消去する効果も期待される。

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© 2006 九州歯科学会
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