九州歯科学会総会抄録プログラム
第66回九州歯科学会総会
セッションID: P-14
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歯学生の社会的スキルに関する研究
*木尾 哲朗大住 伴子冨永 和宏河野 亮子西原 達次寺下 正道
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抄録

よりよい歯科医師-患者関係を作れる態度を育成するため、平成17年度から3・4年次生を対象として医療コミュニケーションII、IIIが開講され、演者らはその講義・演習を担当している。対人関係はお互いのメッセージを適切に送り、受けることにより円滑に展開され、そのための適応能力は社会的スキルと呼ばれ、学習可能であるとされている。社会的スキルは概念、測定方法等に関して急速に研究が進められているが、歯学生に関する報告はまだない。今回、歯学生の社会的スキルを明らかにする目的で、性格と社会的スキルの関係について調査研究を行った。 対象は平成17年度医療コミュニケーション講義を受講した205名(3年次生95名、4年次生110名)とした。講義初日に性格分類の尺度として矢田部・ギルフォード性格テスト(5型15分類)を、また社会的スキル測定尺度としてAffective Communication Test (大坊、以下ACT)を行い、分析後、各タイプ間のACTについて多重比較検定を行った。 歯学生の性格分類結果はA type 16.1%、B type 14.1%、C type 20.0%、D type 38.5%、E type 11.2% であった。ACT平均点は男性58.8、女性61.9であった。5つの性格分類ごとのACT得点は Dtypeは、A、C、E typeより有意に高く、B typeは、C、E typeより有意に高くかった。また、C typeは、A、B、D typeより有意に低かった。以上の結果は性格と社会的スキルの間には相関関係があることを示唆するものである。今後さらなる研究が必要であると思われる。

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© 2006 九州歯科学会
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