北九州市小倉北区の軽費老人ホーム居住の高齢者40名と九州歯科大学学生175名を対象に口腔の立体認知能を調査した.調査では被験者に口腔に含んだ20種類マテリアルの形状を判断させた.学生群の平均正答数は16.6種,高齢者群の平均正答数は10.5種であった.20種のマテリアル各々に対する高齢者群の平均正答率は,全てのマテリアルで学生群の正答率より低かった.また,80歳代の高齢者4人を対象にして,トレーニングで正答数が上がるかどうかを検討した.3日おきに,基本的な形状の6種のマテリアルと正答率の低い8種のマテリアルについて,その形状を口腔内で判断するトレーニングを計10日間の行ったところ,3名に正答数の上昇の傾向がみられた.