2004 年 54 巻 6 号 p. 317-323
近年. bibliometrics指標を用いた研究評価に関心が集まっている。しかし,専門家の間ではbibliometrics指標を安易に利用した研究評価,特に個人の研究業績評価が問題視されている。本稿は,引用データの活用を中心にこれを論じるものの,論文数を利用しても同様の問題は生じる。とはいえ,手法の限界を踏まえた上でbibliornetrics指標を利用するのであれば,それは研究評価に様々なメリットをもたらすことが期待できる。重要なのは,指標を使う際にデータの性質や手法の意味を理解して,適切な文脈で結果を解釈することである。