資料保存環境整備部会の活動を中心に,京都大学の図書館における資料保存活動について具体的に報告する。資料保存環境整備部会は,「資料保存環境の点検調査と基準・指針の提示」「資料保存に関する情報の提供と支援(ウェブサイト,職員研修等)」「資料の劣化対策」をその使命とし,2007年に設置され,各種研修や情報の共有化,啓発活動を行っている。部会が設置された背景として,職員が自発的に始めた資料保存ワークショップの活動や,海外での貴重な研修体験を紹介しながら,最後に,専門的な知識や予算が少なくても「できることから」始めることが資料の保存にとって重要であることを提言する。