2016 年 66 巻 4 号 p. 153-159
本論の目的はアーキビストが書誌情報検索システムをどのように活用しているかを明らかにすることである。そのためにアーカイブズ学における「記述標準」の考え方を整理して検索手段を分析した。はじめに記述標準を三つのレベルに分類してそれぞれの役割を確認した。ここでは1989年にリサ・ウェーバーが提示した分類を用いた。次にその記述標準の活用例を観察した。対象をスミソニアン協会のアメリカ美術アーカイブズの検索手段として,MARCとEADをどのように使い分けているかを整理した。最後に二種類の検索手段の構成要素を比較して,アーキビストによる記述の実践を明らかにした。