情報の科学と技術
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特集:つながるデータ
特集:「つながるデータ」の編集にあたって
長屋 俊
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2017 年 67 巻 12 号 p. 613

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抄録

本年最後を飾る特集は「つながるデータ」です。

データをWeb APIなどの技術的基盤によって公開するケースが増えています。提供されるデータそのものも権利的に再利用可能なオープンデータとして公開される事例も多くなってきています。その上で,従来のデータを整理・名寄せする,識別子を活用するなど方法論は様々ですが,各種データがつながるようにする取り組みが進められ,公開され始めたデータをつなげる試みによって新たなサービスや価値が生み出されるということが起きています。本特集号では,このように各種データがつながり始めた現在の状況を複数の観点から特集いたしました。

巻頭座談会「つながるデータ」と題して武田英明氏と永崎研宣氏による対談を本特集の総論の位置付けで依頼し記事として掲載いたしました。つながるデータの筆頭格ともいえるLinked Open Data(以降は「LOD」と表記)の話題を皮切りに,IIIFをはじめとしたデジタルアーカイブ,識別子,話題は組織論にまで広がり,つながるデータのいまとこれからを存分に語っていただきました。

神崎正英氏には,Linked Data(以降は「LD」と表記)の中でもコアとなる概念であるURIを中心に技術的な側面について解説いただきました。具体的には,セマンティックウェブからLDへ至る流れや,LDの4原則,URIの設計,IIIFを題材としたJSON-LDなどについて解説いただきました。

丸川雄三氏には,文化遺産オンラインと参加館のサービスをつなぐ仕組みについて解説いただきました。参加館側で文化遺産オンラインに登録した所蔵データを利用して情報発信できるようなWeb APIによる仕組み,それから文化遺産オンライン側でも参加館の情報を所蔵データとともに詳細に掲載し参加館のHPを通じた情報発信を代替できる仕組みについて解説いただきました。

古崎晃司氏には,LOD関西という活動を中心として参加者同士がつながることによって生み出される技術,サービス,アイディアによって新しいものが生み出されている活動について解説いただきました。LODは技術的な面だけではなくこうした活動を推進力にLODの可能性が広がっていっている様子が本稿を通じて浮かび上がってくるでしょう。

本特集号が,みなさまにとって様々なデータをつなげ,新しいサービスを生み出すきっかけとなれば幸いです。

(会誌編集担当委員:長屋俊(主査),古橋英枝,水野翔彦,南山泰之)

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