2018 年 68 巻 10 号 p. 484-488
近年,オープンサイエンスという言葉がいろいろな場所で聞かれるようになった。これを受けて,企業も他社及び大学等の外部研究機関と業務提携を実施して研究開発を進めている。一方,企業は基本的に右肩上がりの営利活動を持続することを志向している。しかし,近年の様々な外的環境の急速な変化に対応するために,新規事業の開発においても,オープン化戦略に舵を切り始めている企業が増えている。本稿では,企業におけるオープンサイエンスを利活用した場合のメリットと課題について考察を述べ,オープン化戦略を進める上で何をすべきかを検討する。