2025 年 75 巻 7 号 p. 324-330
あらゆる分野において,豊富なデータにより新たな研究発見がもたらされる可能性が高まるなか,学内のデジタル研究環境を整備し,大学の研究競争力に繋げようという大学が出てきている。デジタル研究環境の整備は,単なる研究設備の整備に留まらず,専門人材による人的支援の全学展開にも及ぶようになってきている。このような高度デジタル研究環境の構築には,研究者や研究支援者が活動するだけでは不十分で,研究データに関わる新たな体制・制度整備や財源確保などに向けて,組織力をもって対応が図られる必要がある。本稿(2)は,こうした組織整備の動きを紹介する。