2025 年 75 巻 8 号 p. 388-392
著者は本稿において,大阪大学の附置研究所において産学連携・研究者支援を行うURA(University Research Administrator)の立場から現場を通じて考えてきた研究データ管理の課題を論じている。特に,学内の理工情報系領域においては,2018年頃から爆発的なデータ増加が「個々の研究者(研究室)」レベルで発生する傾向を多く認めており,それらに関連したデータ管理に関する課題が現在に至るまで増加し続けており,「個々のミクロレベルの研究者が持つ機微かつ大規模なデータがマクロレベルの大学情報基盤に変化を求める課題の逆展開を発生させている」課題を提起し,その課題解決の方途について考察を行った。