関西医科大学雑誌
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腎不全患者のHbA1に関する研究(第2編)
尿毒症及び適正透析の指標としてのHbA1a+b
田中 浩三西川 光重
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1999 年 51 巻 2-4 号 p. 132-140

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抄録

腎不全が進むにつれて尿素窒素(BUN)は上昇し,腎性貧血があらわれてくる.ヘモグロビン(Hb)と尿素由来のシアン酸塩との縮合産物であるカルバミレートヘモグロビンは,BUNが上昇するにつれて増加する.本研究では,まずHbA1と腎機能あるいは腎性貧血との関係を検討した.慢性血液透析患者は,透析により尿素除去だけでなく透析液ブドウ糖濃度によりブドウ糖負荷ないしは喪失があり,HbA1は影響を受けることが考えられる.そこで,次にHbA1と透析の影響について検討したHbA1はモニターGカラムを用いたミクロカラム法で測定した.その結果,非糖尿病性慢性腎不全患者のHb1A+bはBUNやクレアチニンと相関した.Hb1a+b/HbA1はBUNと正相関した.このことは,ヘモグロビンカルバミレーションが,腎不全におけるHbA1増加の重要な役割を持つことを示した.又,腎不全の進行につれてHbの低下とHbA1a+bは逆相関し,腎性貧血の要因にカルバミレーションによる溶血の増悪が関与していることを示唆した.非糖尿病性腎不全透析患者において,5~6時間の酢酸透析でHbA1a+bは減少した.透析患者では透析前BUNの変動よりHbA1a+bの変動は小さく,このことより,HbA1a+bは,適性透析の指標として有効であると思われた.

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