1)ベロ毒素遺伝子はラムドイド・ファージ・ゲノムの特定の位置にファージ特有の制御を受けつつ存在し,従って,今まで明らかになった範囲では,ファージ自身の遺伝子であって,細菌の染色体本体から由来したものと考える根拠はない.2)ラムドイド・ファージでは,それぞれの蛋白質とそのDNA上の作用点とについて,特異的な要素が対をなして存在し,その蛋白の遺伝子とターゲットとの組は組換えの前後も不変に保たれる.離ればなれになると特異性があわないために作用が失われる.3)ラムドイド・ファージはゲノムとしては極めて小さいので,ゲノム比較分析の方法を洗錬しテストするために極めて適した材料である.