日本地すべり学会誌
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論文
Decision treeによる地すべり発生流域の推定とその検証-ASTERデータを用いて-
齋藤 仁中山 大地松山 洋
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2007 年 44 巻 1 号 p. 1-14

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抄録

本研究では, データマイニングの一つであるDecision treeを用いて, 赤石山脈における地すべり発生流域の推定を行う。また, Decision treeの特徴を活かして地すべり発生流域の推定過程をtree構造として定量的に示す。そして, tree構造から見える地すべり発生流域と地形・地質との関係を解明することが目的である。地すべり発生流域を推定するための説明変数は, 数値標高モデル (DEM) の地形計測によって得られる地形量 (標高, 傾斜, Profile curvature, Plan curvature, 浸食量, 未浸食量) , 及び地質データである。本研究ではEOS-Terra/ASTER衛星画像から作成された数値標高モデル (DEM) を使用した。また, 学習/検証データとして既存の地すべり分布データを用いた。
その結果, 71. 2%の正解率で地すべり発生流域を推定できた。また, 得られたtree構造より, 地すべり発生流域を推定する上で重要な説明変数は地質, 斜面形状, 傾斜であることが定量的に示された。さらに地すべりが頻発する流域の特徴として, 傾斜が緩く, 直線斜面や谷型斜面が多いことがわかった。一方で, 瀬戸川層における地すべりの分布は一様ではなく, 地すべりは斜面傾斜が相対的に小さい特定の場所に分布していることが示された。
このように, 地すべり発生流域の推定にDecision treeを用いることにより, 複数ある説明変数に明確な順位付けをして, 地すべり地と地形・地質との関係を定量的に示すことができた。

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© 2007 公益社団法人 日本地すべり学会
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