抄録
本研究は岩盤地すべりが多発している新第三系中新統珪質泥岩層におけるすべり面構造を明らかにすることを目的としたものである。ここでは大規模に変動していることで知られている谷地地すべりを代表事例として, テストピットでの観察や土質試験, およびパイプ歪計などによるすべり面調査や地形解析などを行った。その結果, すべり面は泥岩中に挟在する凝灰岩中最も残留強度の小さい地層に形成され, 陥没帯や斜面途中の引張り亀裂部分で途切れたり, 末端部で瓦状構造をなすなど不連続で不均質であり, 地下水の挙動にも影響を与えていることなどが明らかになった。これらの事実は珪質泥岩層に発生する地すべりのすべり面形状を明らかにしたのみならず, 今後のすべり面調査手法や地すべり地での地下水浸透流解析, さらには地下水排除工計画にも重要な指標となるものと判断される。