日本地すべり学会誌
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研究ノート
地震時の斜面の変形量評価における解析手法および入力地震動の選定
秦 吉弥一井 康二土田 孝李 黎明加納 誠二山下 典彦
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2008 年 45 巻 1 号 p. 64-71

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抄録

2004年新潟県中越地震では, 広範かつ多数の斜面崩壊が発生した。新潟県中越地震のような強震動に対する斜面の安定性評価手法としてNewmark法や有限要素法などの数値解析手法がある。本稿では, 斜面の動的遠心模型実験を実施し, 従来型Newmark法, 斜面の地震応答特性を簡便に考慮した改良型Newmark法, 動的有限要素法`FLIP'の適用性の検討を行った。さらにパラメトリックスタディを実施し, 斜面高さおよび入力地震動が斜面安定評価結果に及ぼす影響について検討を行った。その結果, 斜面高さが高くなるほど採用する解析手法と入力地震動による滑動変位量算定結果の差異も大きくなる傾向にあることが示された。そして大規模な斜面における地震時安定性を検討する際には, 解析手法や入力地震動の選定に十分に留意する必要性が示唆された。

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© 2008 公益社団法人 日本地すべり学会
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