日本地すべり学会誌
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研究ノート
緑色岩地すべりのすべり面粘土
-北海道常呂帯仁頃層群緑色岩を基岩とする北陽A-160地すべりの例-
前田 寛之河野 勝宣
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2016 年 53 巻 1 号 p. 13-16

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抄録

 北陽A‐160地すべりは, 北海道北見市北陽‐豊実地すべり多発地帯における古期緑色岩地すべりの一つであり, 移動体の幅約250m, 全長約300m, 厚さ約30mの大規模地すべりである。本地すべりは主に付加体である緑色岩の風化・熱水変質岩とそれらの岩屑および土砂を移動体とする風化・熱水変質岩地すべりである。地すべり移動体胴部に掘削された垂直ボーリング深度21.25mで見られる厚さ5mmの推定すべり面粘土は, 黄土色を呈し, せん断面を持ち, 比較的多量のスメクタイトおよびバーミキュライトと少量の曹長石, 濁沸石, 針鉄鉱などからなる。この黄土色粘土薄層中のスメクタイトおよびバーミキュライトは, それぞれ産状と性状から破砕帯中の断層ガウジの熱水変質および風化生成物であることを示唆する。それゆえ, 本地すべりは緑色岩の破砕帯における断層ガウジや断層角礫岩の熱水変質や風化に伴う脆弱化と密接な関係を持つと考えられる。

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© 2016 公益社団法人 日本地すべり学会
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